介護職員・人員 情報

事故報告できてますか?②

投稿日:2021年2月27日 更新日:

こんにちは、しょうりんです!

 

前回に引き続き、事故報告について触れていきたいと思います。

 

前回は、事故が起きても報告をしないという状況が発生したことについての理由を挙げてみました。なので、今回はその理由と改善について考えていきたいと思います。

 

 

報告をしない理由から発生する問題は?

 

前回の記事で挙げたように、事故が起きたのに報告しない理由は次の3つです。

①自分が起こした事故について責任を取らされたくない。

②事故報告を書く、内容を伝える=自分が責められるのが嫌。

③事故報告をすることで、上司に怒られるのが嫌。

 

では、なぜこのような理由から報告をしなくなったのでしょうか?

 

原因は組織体制の問題です。

 

よくあるのが、しっかりと報告をしてくれる職員に対し、上司が一方的な話し方しかしないというものです。例えば「なんで事故が起きたんだ?君は何をしていたの?なんで防げなかったの?同じ事故を起こさない為に、しっかりと対策を考えないと、また同じ事故が起きるよ?もっと全員でお客様を見守らないと・・・」というようなことを言われる。

 

職員も最初は自分が起こした事故なので申し訳ないと思うでしょう。しかし、介護の現場はどうしても事故が起きてしまいます。その都度報告をする度に先程のようなことしか言われなかったらどうでしょうか?

 

多分、気持ちがいいものでもありませんし、伝え方がどんどんエスカレートすると「もう言わなくてもいいかな?言っても一緒だし・・・」と思ってしまい、それが一緒に働く現場に広まってしまい、事故に対しての報告が減っていくのではないでしょうか?

 

 

では「報告がない」もしくは「報告が遅れてくる」という状況になると、どんな問題が起きてくるでしょう?

 

例えば、施設であれば歩行中にお客様が転倒していまい尻もちをついた、ということがあったとしましょう。尻もち程度なら大丈夫だし、本人も痛くないと言ってるし、外傷もないから報告しなくても大丈夫・・・と思ってしまうこともあるのではないでしょうか?

 

しかし、万が一尻もちをついた結果、骨にヒビが入っていたのかお客様が痛みを訴えだし、結果病院受診しなくてはならなくなったとしたらどうでしょうか?

 

ご家族へ連絡し、病院受診をする旨を伝え、その経緯もお伝えすると思います。しかし、尻もちをついてから、大きく時間が経過していたら、ご家族は何と思われるでしょうか?普段は何も言わないかもしれませんが、納得がいかなかったら施設もしくは事業所へ苦情を申し立てにいくのではないでしょうか?

 

そこから大きな問題に発展しなければいいですが、内容や会社の対応によっては裁判にまで発展する恐れもあります。

 

よって、会社としては、小さな事故でもすぐに報告をしてもらい、適切な対応をすることが重要になってきます。

 

 

 

適切な事故報告をさせるには?

 

まずは、事故を起こさない環境を作ることが一番です。しかし、介護という職業においては、事故が絶対に起きない環境というものは作れないと思っています。

 

では、事故が起きるリスクを少しでも減らせるような環境・体制を作ることが会社としては最優先事項ではないでしょうか?

 

その為には、まず一番の問題になっている「事故が起きたという報告をさせる」というものです。何度も言いますが、報告しないのには理由があります。「責任を取らされたくない」「怒られたくない」等です。

 

今の介護業界は『事故=悪いこと』というようなイメージになっていると思いますが、そこが一番の問題点です。まずは、このイメージを壊していかなくてはなりません。

 

『事故=次の事故防止に繋がる』という、プラスの発想になるように考え方を変えていきましょう。

 

よって、施設や事業所の上司は、職員が事故が起きたことを報告してきた時には、一方的に話をしないことです。まずは、状況をしっかりと聞き、お客様の状態や事故の原因を把握する。そして、職員にどうしたら次に同じような事故が起きないのか?を一緒にアイデアを出して考えてあげることです。

 

そうすることで、現場の事を真剣に考えてくれていると職員は感じるでしょう。万が一、難しい案件でも、そこで答えを出さずに、他にも職員を集めミーティング内にて対策を決めてもいいでしょうし、職員から対策をするのに物品を買う費用が必要だとすれば、どのように使うのか確認して高額なものでなければすぐに買ってあげるという、スピードを持った対応をすることが重要です。

 

職員も上司が一緒に考えてくれるという事がプラスになり、報告しやすい環境を作ることができれば、事故だけでなく、他の事についても報告してくれるようになり、多岐に渡り情報の共有ができると思います。

 

 

さいごに・・・

 

最後に、今回は私の中で一番話の多かった上司の伝え方や関わり方を大きく取り上げて書いていますが、実際には上司の対応は関係なく、ただ単純に「事故と思っていない」「報告書を書かされるのが嫌だから放っておく」「後輩に代わりに報告させる」等の理由も聞いたこともあります。

 

介護の現場で働いている方達で、このような考え方を持っている方がいるとは思いにくいですし、万が一いてもごく少数だと思いますが、なんにしても事故に関わらず、問題が発生したらすぐに報告をさせる環境を作ることが大切です。

 

事業所の管理者や運営をされている方で、問題ばかり起きて全く解決ができない。問題の解決に走り回り他の仕事ができない。会社の考え方や方針が伝わっていない等感じることがあれば、まずは組織体制や業務体制を一度見直してみてはいかがでしょうか?

 

介護事業所を運営するのは会社ですが、お客様にサービスを提供し、喜んでいただき、その対価をいただくことができるのは、最前線で働いてもらっている職員がいるからです。

 

会社の考えや方針を曲げる必要はありませんが、少しでも寄添って話を聞き、悩みを聞き、相談されたことに真剣に答えていけば、今以上にいい環境、結果が生まれるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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