介護の現場で働いていると、よく感じることがあります。
居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、在宅介護サービスの中心にいる存在だということです。
なぜなら、居宅のケアマネジャーが作成する
- ケアプラン
- サービス提供表
これらがなければ、訪問介護や通所介護などの事業所はサービスを提供することができません。
仮にサービスを提供しても、ケアプランに位置付けられていなければ介護報酬が算定できないためです。
※介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームなど、施設内にケアマネがいる施設は少し事情が違いますが、在宅サービスではこの仕組みが基本になります。
つまり、在宅介護においてはケアマネジャーを中心に多くの事業所が連携している
という構造になっています。
ケアマネジャーは「何でも屋」になっていないか?
しかし、現場を見ていると、ケアマネジャーは本来の役割以上の仕事を抱えてしまっている場面をよく見ます。
例えば、日常的にこんな連絡が入ります。
・家族から
「遠方なので〇〇をお願いできませんか?」
・事業所から
「デイサービスに行きたくないと言っていますがどうしましょう?」
・病院から
「この件はケアマネさんにお願いしたい。書類を取りにきてくれるか?」
・サービス事業所から
「昨日訪問しましたが不在でした」
・利用者から
「薬がもうなくなりそうです」
このように、ケアマネジャーには
- 利用者
- 家族
- 医療機関
- 介護事業所
など、さまざまなところから連絡が入ります。
もちろん、ケアマネジャーは調整役として重要な存在です。
しかし、すべてをケアマネに任せる状況になってしまうとどうなるでしょうか。
電話対応ばかりで本来の仕事ができない現実
ケアマネジャーには本来、次のような業務があります。
- ケアプラン作成
- モニタリング
- 利用者宅への訪問
- サービス担当者会議
- 記録作成 等
しかし実際には
一日中電話対応に追われる、ということも少なくありません。
その結果、
- 記録は業務後にまとめて作成
- 残業や持ち帰り仕事
- 精神的な負担の増加
という状況になりやすいのです。
このような環境では、疲れやストレスが溜まり、
ケアマネを辞めてしまう人が増えるのも無理はありません。
現在、全国的にケアマネ不足が問題になっていますが、
このような働き方も一つの原因ではないかと感じます。
ケアマネジャーの報酬はどのくらいか
少し現実的な話になりますが、ケアマネジャーの基本報酬を見てみましょう。
居宅介護支援の基本報酬は
・要介護1・2
1,086単位
・要介護3~5
1,364単位
地域単価を掛けると、おおよそ
要介護1・2で
約10,860円程度
になります。
この金額は
1人の利用者を1か月担当した報酬です。
※ブログ作成時点の基本報酬(単位数)を参照しています。
1日あたりの報酬を計算してみる
仮に、居宅介護支援事業所が
土日休み、月22日稼働
とすると、
10,860円 ÷ 22日
= 約493円
つまり
おひとり1日あたり493円の報酬をいただいている
という計算になります。
要介護3~5の場合でも
約620円/日程度です。
ここで少し考えてみてください。
今、日本の最低賃金は多くの地域で
時給1,000円前後です。
しかしケアマネジャーの場合
時給ではなく日額493円の収入構造
になっているとも言えるのです。
もちろん、実際には
- 担当人数
- 加算
- 要支援
- 特定事業所加算
などがあり、単純計算ではありません。
それでも、
決して高い報酬とは言えないのが現実です。
他の介護サービスと比較すると
例えば通所介護の場合。
要介護度や時間にもよりますが、
例えば、【通常規模型】で要介護2の方が5時間以上6時間未満で利用したとしましょう。
1日1名の利用で約673単位(約6,730円)程度の報酬になります。
もし利用者が
15人
いれば
6,730円 × 15人
=100,950円
以上が1日の売上になります。
もちろん、職員配置などコストもありますが、
ケアマネジャーの報酬構造とは大きく違います。
ケアマネの仕事は「調整役」
ケアマネジャーは
・利用者
・家族
・医療
・介護事業所
をつなぐ 調整役 です。
利用者1人に対して関わる人は
何倍にも増えます。
仮に利用者本人から連絡がなくても
- 訪問介護
- 通所介護
- 訪問看護
- 福祉用具
- 医療機関
など、さまざまなところから連絡が入ります。
さらに
- 記録作成
- 訪問
- モニタリング
なども必要です。
担当利用者が増えれば増えるほど、
その対応は何倍にも膨らんでいきます。
すべてをケアマネに任せる必要はない
ここで少し考えてみてほしいことがあります。
介護の仕事は
ケアマネだけで成り立つものではありません。
例えば
・事業所同士で直接確認できること
・家族が対応できること
・現場で判断できること
これらは、必ずしもケアマネを通す必要はありません。
例えば
- 事業所同士で連絡を取り合う
- 家族ができることは家族で対応する
- 対応した内容をケアマネに共有する
これだけでも、ケアマネの負担は大きく変わります。
小さな気遣いが良い連携を生む
ケアマネジャーは、確かにサービスの中心にいる存在です。
しかし
「何でもケアマネに言えばいい」
という関係では、長く続きません。
むしろ、
・できることは自分たちで対応する
・情報はしっかり共有する
・お互いを理解する
こうした関係ができれば
より良いサービス提供につながると思います。
介護の仕事をより良くするために
介護の仕事は、一人ではできません。
ケアマネ
介護職
医療
家族
すべてが連携して初めて成り立つ仕事です。
だからこそ、ちょっとした気遣いがとても大切になります。
その小さな積み重ねが、
・良い人間関係
・働きやすい環境
・より良い介護サービス
につながっていくのではないでしょうか。
これからも介護という仕事を成長させていくために、
まずは目の前の小さなことから実践してみませんか?
介護保険制度については、まだ知られていない仕組みも多くあります。
特に40歳~64歳の方が対象となる「特定疾病」による介護保険の利用については、意外と知られていないケースも少なくありません。
「どのような病気が対象になるのか?」「申請の流れはどうなるのか?」などを分かりやすくまとめた記事がありますので、詳しく知りたい方はぜひこちらも参考にしてみてください。
【ぬくもり便】
👉 40~64歳でも介護保険は使える?特定疾病と申請方法を分かりやすく解説
