火. 2月 17th, 2026

― 人員配置・紹介料・日雇い問題から考えるこれからの介護 ―

介護の現場では、慢性的な人手不足が続いています。

求人を出しても応募が来ない。
やっと採用できても、数か月で退職してしまう。

この流れを、どれだけの事業所が繰り返しているでしょうか。


■ 給与が低いから人が来ないのか?

介護の給与は、一般職と比べて低いと言われてきました。

国は処遇改善加算などを設け、賃金を引き上げる努力をしています。
確かに、以前よりは改善されつつあります。

しかし現場の感覚としては、

「大きく変わった」と言えるほどの結果にはなっていない。

そう感じている方も多いのではないでしょうか?


■ 仕事量の多さと疲労の連鎖

介護の仕事は、ご高齢の方の生活を支える仕事です。

食事、排泄、入浴、移動、記録、家族対応、会議…。
やるべきことは非常に多く、責任も重い。

人が少なければ残業が増えます。
忙しさが続けば疲れがたまります。

疲れる

休みが休みにならない

体調を崩す

退職する

こうした流れが、実際に起きている現場も少なくありません。


■ なぜ無理をしてでも人を入れるのか?

事業所は、人員配置基準を守らなければなりません。

もし基準を満たせなくなると、売上が大きく減算されます。

ケースによっては、約30%の減算が続くこともあります。

改善するまで減算が止まらない。

これは経営にとって致命的です。

だからこそ、時給が高くても派遣や紹介業者を使わざるを得ない。

しかしその結果、職員2~3人分の費用を支払うことになる場合もあります。

さらに、その方が3か月、6か月で退職したらどうなるでしょうか?

また紹介。
また高額な費用。

この繰り返しです。

議会でも「紹介料が高すぎる」「介護の財源が本来と違う方向へ流れている」という議論が出ていると聞きます。

現場の苦労は、別のところで利益に変わっている現実もあるのかもしれません。


■ 日雇い・スポット人材は本当に現場を救うのか?

最近では、介護現場にスポットワークの方が入るケースも増えています。

人がいない現場からすれば、
「来てくれるだけでありがたい」というのが正直な気持ちです。

しかし施設の場合、

入居者一人ひとりのADL
既往歴
転倒リスク
性格や生活習慣

これらを知らなければ、安全なケアは難しい。

もし、慣れていない職員が対応中に事故が起きたら――

利用者様だけでなく、その職員自身の心にも大きな傷が残ります。

経験のない方であれば、なおさらです。

「もう介護は無理だ」と思ってしまうかもしれません。

現場を助けるための仕組みが、逆に人を遠ざけてしまう可能性もあるのです。


■ 守るべきものは何なのか?

人員配置基準を守るために、

経営者は苦しみ、
現場は疲れ、
本来続けてほしい職員が離れていく。

この構造は、本当に健全なのでしょうか?

もちろん基準は安全のためにあります。
しかし今の制度は、

「人がいない」という現実に対して
十分に対応できているとは言い切れないのではないでしょうか?


■ 介護保険制度は岐路に立っている

給与の問題だけではありません。

働き方
人員基準
紹介料の在り方
スポット雇用の安全対策

介護保険制度そのものが、大きな見直しの時期に来ているのではないでしょうか?

私はそう感じています。


■ 最後に

介護は、人の人生を支える仕事です。

現場で汗を流している職員の方々が、「続けたい」と思える環境でなければ、
この仕事は未来に続きません。

制度のための現場ではなく、
現場のための制度へ。

今こそ、本気で考える時期に来ているのではないでしょうか?

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