こんにちは!しょうりんです!
今日は題目にあるように「介護ってただでさえ、現場が忙しいのに、なぜ研修まで受講しなくてはならないのだろう?」って思った方はいませんか?
ちなみに、私も昔は「なんで研修なんか受けなくてはならないのか?」楽しくもないし、とりあえず受けとこう!・・・みたいなスタイルでした。すいません・・・。
でも、介護施設の管理者を経験したり行政関係の方と交流を持つ中で、研修は重要なんだということを改めて感じることもありましたので、私が感じる研修のあり方を簡単ではありますが、お伝えしようと思います。
介護施設等で研修を開催するのは、理由の1つとして法律関係で決まっているからです。
現場の方はあまり関わりがないでしょうが、介護事業所は新規開所してから1年後、もしくは5年に1回のペースで「実地指導」という名目で、各介護事業所の中身のチェックに役所の方が来られます。
中身のチェックとはどのようなものかというと次のようなものです。
・個別記録の確認
・人員配置や人事書類関係の確認
・研修記録の確認
・その他、事業所ごとに必要な事項(消防関係や労働基準書関係等)
細かく記載をすると、もっと沢山あるのですが、ここでは簡単に書いてます。
そして見ていただければ分かると思いますが「研修記録の確認」というものがあります。
これは、介護保険法で定められた研修をちゃんと実施していますか?というものです。
その為、いつ開催して職員は誰が参加したのか?研修の内容やそのレジュメ、研修後の参加者に書いてもらうレポート等をファイルしておく必要があります。
ちなみに定められている研修とは「感染症対策」「事故発生時の対応」「認知症について」「虐待・身体拘束について」等が一般的です。これを年1回は必ず実施するようになっています(※地方自治体によって内容は変わるようなので、各自治体に問い合わせた方がいいと思います)。
「毎年同じことやっても意味ないじゃん!」と思われる方もいるかもしれませんが、これは重要なことなんです。毎年開催し受講してもらうことによって、意識を高めてもらったり危機感を持って対応してもらうことが重要なんです。そして、1年を通せば新入社員が入社している場合もありますよね。
新入社員が万が一「介護の仕事は初めてです!」となると、現場で働いている方の当たり前が通用しない場合もあります。なので、そのような方に対しても研修というものは必要になってきます。
ちなみに、「感染症対策」の研修を開催するにしても、多くの事業所は9月とか10月に開催してると思います。それは、寒い時期に近づくにつれ、インフルエンザとかノロウィルス等の感染症が増えてくるからです。
なので、感染症が事業所内やお客様の中で広がらないように、早めに対策をとって予防していく必要があります。これは研修として開催し、聞くからこそ「あ~、そんな時期なんだな~。気を付けないと」って少しは感じてもらえると思います。
しかし、誰も何も言わなかったら、感染症に対し意識することも少なく、日々の業務に追われ気が付いたら周りでインフルエンザに感染した人がいました!ということになり、感染拡大が止められず、お客様にまで影響を及ぼしてしまう可能性があります。
他の研修もこれと一緒で定期的に実施するからこそ、現場で働いている方に意識をしていただき、感染症や事故、虐待等を少しでも防いでいきたいということなんですね。
各企業や事業所によっては、一般的な研修に加えて、自社独自の研修を開催したり、講師を招いて研修をしたりということもあります。
これは、企業や事業所が利用されている高齢者の方に対し、さらに喜んでいただけるように、サービスの質を向上させる為に実施しているのだと思います。
介護の仕事とは、入居施設であれ、通所事業であれ、訪問事業であれ、すべてお客様にサービスを提供した対価としてお金をいただいています。
なので、お客様にサービスを提供し喜んでいただくことは、介護の事業所として当たり前のことですね。
今では、右を見ても左を見ても介護の事業所があるくらい、日本全国に沢山あります。
ちなみにですが、少し前のデータで、訪問介護・通所介護の事業所数は全国で約60,000事業所、居宅介護支援事業所は約42,000事業所です。いや~、改めて見るとビックリするくらい多いですね。
話を元に戻しますが、それだけ事業所が多いと、いかに自分の事業所を利用してもらおうかと経営者としては考えますよね?介護の事業所も売上が上がらないと、職員の方々を雇用し続けることはできないので、職員の方の為にも売上を上げる方法を考えます。
その結果、色々な研修を開催して、職員個々の技術や知識等を上げていき、お客様に対してサービスの質を向上させることで売上を上げていこうと考えるんですね。
やはり高齢者の方は、安いところがいいという事もあるでしょうが、一番は安心できる環境と信頼できる職員がいて、何でも相談ができ、対応もいいという部分が一番重要なところだと思います。
昔の上司から、口酸っぱく言われていましたが「積み重ねてきた信頼は、一瞬で崩れる」というように、何年、何十年築いてきた信頼関係も、一回でもお客様の信頼を裏切るようなことをすれば、一瞬で消えてしまう・・・というものと一緒ですね。
だからこそ、各企業や事業所はその信頼関係を継続できるように、職員の接遇や対応が悪かったことにより、お客様を失わないように職員の個々のスキル等を成長させていくために、基本の研修以外の事も取り入れるんです。
令和3年度からの介護保険法改訂により、介護事業においては、さらに研修や義務化されるものが増えます。
その一つとして、今まで無資格者でも働けていた「特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)」や「通所介護(デイサービス)」「短期入所生活介護(ショートステ)」において、無資格者は働けなくなり、認知症基礎研修を必ず受講することを義務化するというものです。
↓内容はこちらでも記載しているので、ご興味があればご覧ください。
以上のことから、介護施設において研修は開催しなくてはならないのです。
現場の方は大変だと思いますが、研修はぜひ受けてください。自分から外部の研修を受けに行くとなると、内容によっては時間もお金もかかるかもしれません。それを、各企業や事業所が段取りをして開催してくれるんですから、いいこと尽くしです。
ただ、現場が忙しいのに、研修なんか参加できない、という意見もあるでしょう。
なので、企業や事業所側としても、職員全員に研修を受けてもらおうと思えば、それなりの体制を作っていく必要があります。
私も今まで介護の企業・事業者の方とお話をしてきましたが、どちらかというと研修は優先順位が低いと感じます。その為、どうしても研修を開催する体制ができておらず、現場の状況も分からないまま、一方的に研修に参加しなさい、というケースが多いように感じます。
結果、現場から反発が出たりして「研修への参加者が少ない」「向上心が低い」というような状況になり、本来の目的であるサービスの質の向上に向けた準備ができないということになります。
現場で働く職員の方にも研修には参加した方がいいですよ、とお伝えはしますが、企業・事業所側としても、ぜひ研修に参加してもらうからこそ、全員が前向きに参加できるような体制作りをしていただきたいと感じます。
長々とした文章ですいません。