こんにちは!しょうりんです☆
今日は介護職として働いている中で、無資格の方もいると思いますが、そこにフォーカスを当てて話をしていきたいと思います。
最近あるニュースでこんな話題がありました。
無資格の介護職員は「認知症基礎研修」を必ず受講することを義務化するとのこと。令和3年4月からの介護保険の報酬改訂で実施するようで、3年の経過措置を経て実施していくとのことでした。
今では、介護の資格がなくても働ける現場は沢山ありましたが、来年の介護報酬改訂となる4月以降は「認知症基礎研修」の資格がないと介護の仕事に就職するのは難しくなるかもしれません。
(※4月からすぐに働けなくなる訳ではないので資格をお持ちでない方もご安心ください。令和3年4月から、既存の職員は3年の猶予期間を設けるとのことです。よって、令和3年4月~令和6年3月までに無資格者は受講するようになります。無資格で入社した新入社員については、1年以内に受講する必要があるようです)。
しかし、その背景には何があると思いますか?
ここからは、個人的な意見として聞いてください。
1つの理由としては、介護施設等における虐待件数が増えていることだと思います。では、なぜ虐待件数が増えると思いますか?それは、無資格・未経験の方が、いきなり介護業界に新入社員として入ってきて、しっかりとした指導を受けることなく、認知症の事も分からずただ高齢者の方の対応をしていれば、ストレスも溜まると思います。
そのストレスを発散する場がないために、高齢者に八つ当たりしてしまい、結果虐待問題が起きてしまうのではないでしょうか?認知症の事を少しでも理解して、このような方もいるんだと分かれば、虐待も減るのではと考えたのだと思います。
もう1つの理由としては、介護職として働く無資格者に「認知症基礎研修」を受講させようというのは、現状の介護サービスの質の低下にあると思います。
介護事業が始まって以来、多くの企業が施設や事業所を設立し続けてきました。
最初の頃は介護に対してやる気もあり、積極的に資格も取得して「生涯介護の仕事で頑張っていきたい!」という方もいたと思います。
しかし、介護事業は認可事業であることから、国が定めた人員配置基準等(いわゆる有資格者を最低何名は配置しなさい等)を遵守する必要があり、施設や事業所が増えればそれだけ有資格者が必要になってくる訳です。
結果として、企業間で有資格者や現場で働く介護職員の”取り合い”になってしまい、サービスの質を落とさない為に有資格者ばかりを募集していた企業も、現場で働く介護職員については無資格者でも仕方がないと考えるようになってきたと思います。
介護事業を知らない方は「なぜ妥協するのか?」と思うでしょう。
しかし、妥協しなくてはならないのです。
なぜなら、事業所ごとに国が定めた介護職員(事業体によっては無資格者でも可)を確保しておかないと、人員配置基準割れとなり、せっかく現場で働く皆様が作ってくれた売上の一部を国に返還しなくてはならないからです。
↓個人的に考える悪循環の流れは以下の通りではないでしょうか?
事業として存続させるためには、売上を上げる必要がある
↓
売上を上げても人員配置割れで返還をしては事業の存続ができない
↓
結果、現場の介護職員は無資格者でも職員を確保する必要が出てくる
(※訪問介護事業等は除く。現場職員もヘルパー等資格が必要なため)。
↓
それでも足りなければ派遣社員を雇用する
↓
介護の知識が分からない職員ばかりが増えてくる
↓
サービスの質が下がる
↓
その環境に納得ができず、資格所持者のベテラン職員が辞めていく
↓
職員が辞めて人員配置を割る訳にはいかないので、さらに経験がない職員を雇用する
↓
統制が取れなくなる
↓
結果、虐待等不適切なサービスが増えてしまう・・・
あくまで、私個人が思うところではありますが、私が以前勤めていた職場では上記のような状況になっていました。
このような状況では、施設に入居されている方や在宅サービスを利用されている高齢者の方々やその家族が不安に感じることもあるのではないでしょうか?
その不安を払拭し、安心して入居もしくはサービスを利用してもらえるよう、介護の最低限の知識等を学べる場を作り、サービスの底上げをしていこうとしているのではないかと感じます。
実際は今の世の中介護現場で働く人員が不足してきています。もっと早くこのような対策を取っていれば、介護の楽しさ・喜びを感じてもらえ、介護の仕事に長く携われるような方が増えたのではないかと考えてしまいます。
長くなってしまいましたが、今後も介護事業はとても重要なサービスとなってくるでしょう。しかし、介護事業所が生き残るにはいくつもの困難な条件をクリアしなくてはなりません。
その困難な条件・課題を自分だけで解決することができなければ、私たちのようなコンサルを活用しつつ改善するのも1つの手だと思います。
常に最新の情報を収集しつつ、早めの準備を行っていきましょう。